「住宅ローンの利用を考えているけど、そもそもどんな仕組みなのかわかっていない…」
「住宅ローンはいろいろ種類があるみたいだけど、何がいいんだろう?」
このように思ったことはありませんか?
そこで本記事では、住宅ローンの選び方をご紹介します。
住宅ローンで損しないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
金利タイプの比較・選び方
金利とは、お金を借りた側が支払う利子の割合です。「金利○%」と言われたら、年間で支払う利子の割合です。お金を貸す立場では、利回りを指します。
住宅ローンの金利には、以下の3タイプがあります。
- 固定金利
- 変動金利
- 固定金利期間選択型
それぞれ解説していきます。
固定金利
「固定金利」では、返済中の金利は契約の当初から変わりません。
契約のタイミングでは、相場より金利は高い傾向にあります。しかし、将来金利が上がっても金利が一定なので、お得です。
また、固定金利では、契約の時に利子が総額でいくらになるのか分かるので、返済計画が立てやすいことがメリットです。また、損得のリスクの振れ幅が小さいので、メンタル面で負担が減ることもメリットと言えます。
変動金利
「変動金利」では、返済中、定期的に金利の見直しが実施されます。
現在は超低金利時代なため、変動金利で住宅ローンを組んだほうがお得と言えます。
しかし、将来にわたって金利が急激に上がる恐れは否めません。住宅ローンの一般的な返済年数は35年ですが、その間に金利が急上昇することもあり得ます。そのため、固定金利と違い、リスクの振れ幅は非常に大きいと言えます。
固定金利期間選択型
「固定金利期間選択型」では、一定の期間だけ金利が固定されます。
結婚・引越・出産などのライフイベントや、何か大きな出費が見込まれる時に、金利が変動しないようにできます。
固定金利期間選択型には、変動金利にある「5年ルール」や「125%ルール」といった、契約者の経済的な負担に考慮したシステムはありません。
以上3つの金利タイプの特徴を踏まえ、利用しやすいタイプの住宅ローンを選びましょう。
返済方法の比較・選び方
住宅ローンの返済には、以下2つの方法があります。
- 元利均等返済:毎月の返済総額(元金+利子)が一定
- 元金均等返済:毎月返済する元金が一定
元金とは、借り入れた金額のことです。
元利均等返済:毎月の返済総額(元金+利子)が一定
元利均等返済では、返済期間の前半は利子の支払いが多くなります。
返済期間の後半になるにつれ、元金の返済が多く、利子の返済が減ります。そのため、元金均等返済より、総合的に支払う金額は増えます。
元金均等返済:毎月返済する元金が一定
元金均等返済では、毎月返済する元金の金額が一定です。
返済の当初から、1回の返済総額が元利均等返済よりも大きくなります。そのため、最終的に支払う金額は、少なくなります。
毎月の返済に不安がないなら、元金均等返済をおすすめします。しかし、住宅ローンでは、元金均等返済を受け付けていない金融機関も多いです。事前に金融機関で、元金均等返済に対応しているか、チェックしてみましょう。
借入先の比較・特徴
住宅ローンの借入先には、主に以下の4つが挙げられます。
- 銀行、信用金庫
- フラット35
- 財形住宅融資
- 自治体融資
それぞれ解説していきます。
銀行、信用金庫
借入先の1つ目は、銀行や信用金庫です。
メガバンクや地方銀行、近年ではネット銀行で借りることもできます。
メガバンクは、みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行のことです。メガバンクの住宅ローンは点数制になっており、年齢・勤務先・年収などを点数に換算します。点数が基準を満たさないと、融資を受けられません。しかし、審査がスピーディーに行われ、資金に余裕があるため、金利が低いことがメリットです。
地方銀行では、利用者の状況に応じて柔軟に融資をしてくれる可能性がある点がメリットです。中小企業の経営者やフリーランスなど審査に通りにくい人は、地方銀行も選択肢の一つです。ただ、メガバンクほどの資金はないため、金利は比較的高い傾向にあります。
ネット銀行は、人件費が抑えられており、店舗もない関係で、金利が低いことがメリットです。金融機関に行く暇がない人や、金融機関に行く手間が惜しい人におすすめします。ただ、銀行員と対面しないため、柔軟な融資は受けにくいとされています。
フラット35
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が運営する住宅ローンです。
特徴として、固定金利であることや、団体信用生命保険への加入は義務でないことが挙げられます。団信に加入できないことが原因で、他の金融機関で審査が通らない人でも、フラット35なら融資を受けられる可能性があります。
財形住宅融資
財形住宅融資は、公的な機関が貸し出すローンの1つです。
企業の福利厚生のため、この制度を取り入れているか、勤務先に確認してみましょう。
自治体融資
自治体融資も、自治体が融資をする公的な住宅ローンです。
自治体によって申し込み条件や金利は違います。また、すべての自治体で実施しているわけではありません。お住まいの自治体で取り扱っているか、チェックしてみましょう。
大きく4つに分けて借入先をご紹介しました。自分にぴったりな借入先を選んでみてくださいね。
住宅ローンの「諸費用」とは
住宅ローンは、建物や土地の他にも手数料や保険などの費用がかかり、まとめて諸費用とされます。諸費用の一例としては、以下が挙げられます。
諸費用 | 内容 |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料。不動産会社ごとに金額が異なる。法律で定められている上限は、売買代金の3%+6万円。 |
融資手数料 | 住宅ローンの融資を受けるときに、金融機関に支払う手数料。およそ3~5万円。 |
ローン保証料 | 保証会社に払う手数料。返済期間や借入の金額によって変化する。 |
団体信用生命保険料 | ローンの契約者が有事の際に、ローン残債がゼロになる「団体信用生命保険」の保険料。およそ10~12万円。 |
地震保険料 | 建物の構造や、地域によっても異なる。保険金額が1,000万円の場合、およそ10,000~30,000円。 |
火災保険料 | 返済期間と同じ期間の火災保険への加入が、融資の条件となっていることもある。相場は15万~40万円ほど。 |
登録免許税 | 不動産を購入した場合に行う登記手続きのための税金。司法書士へ依頼する報酬も合わせると、10万円ほど必要。 |
他にも諸経費はかかるため、合算すると数十万円ほどの金額が必要です。中古の物件だと購入額の6~10%、新築の物件であれば3~7%が相場だと言われています。
ただ、相場を上回る諸経費が必要な場合もあります。事前に把握しておきたい方は、ファイナンシャルプランナー(FP)にシミュレーションをお願いしてみましょう。
団体信用生命保険とは
団体信用生命保険(団信)は、契約者にもしものことがあった場合に、住宅ローンの残高がゼロになる保険です。
例えば、以下のような場合に保険が適用されます。
- 住宅ローンの契約者が死亡した
- 住宅ローンの契約者が事故で働けなくなった
団信では上記のような場合に、生命保険会社が、住宅ローン残高を借入元の金融機関に支払います。
通常、住宅ローンでは団信への加入が義務付けられます。ただ、条件を満たしていないと団信に加入できない場合もあります。
住宅ローンの契約前に団信に加入できるのか、チェックしておきましょう。
住宅ローンのよくある質問
住宅ローンに関する、よくある質問をご紹介します。
住宅ローンを組んで、一定の条件を満たしたマイホームを購入した場合、「借入残高×0.7%」が控除されます。期間は中古物件が10年、新築物件が13年です。
マイホームを購入した年は、確定申告が必須です。確定申告で分からないことがあれば、税務署で相談できます。
なお税務署は、確定申告の時期である2月~3月、非常に混雑します。できるだけ早めに相談に行きましょう。
住宅ローンの借入金額は、ライフイベントを見通して、無理なく返済できる金額にしましょう。
「年収の8~10倍までが目安」と言われることもありますが、本当にこの先何が起きても返せる金額か、よく考えてみるのがおすすめです。
2020年から流行した感染症をはじめ、終身雇用の時代は終わったとも言われています。
以下のような、さまざまな事態を想定して借入金額を決定しましょう。
- ボーナスは想定通りの金額もらえるのか
- 転職する可能性はあるのか
住宅支援機構のデータを見ると、住宅ローンの返済困窮者は、感染症の流行前でも約4%です。およそ25人に1人が住宅ローンの返済に苦しんでいます。
膨大な金額のローンを組んで、長期間で返済する予定でも、ずっと働き続けられるとは限りません。ローンを組む際は、慎重に検討しましょう。
独立系のファイナンシャルプランナー(FP)に相談することをおすすめします。中立な立場で、相談者のことを第一に考えたアドバイスをしてくれるからです。
FPとは、金融・税金・不動産などの専門知識を備えた、お金のプロです。FPは大きく以下の2種類に分けられます。
- 独立系FP:企業に属さない、独立したFP
- 企業内FP:金融系の企業や不動産系の企業に所属するFP
企業内FPには、無料で相談できる場合もあり、一見お得かつ気軽に相談できると思えます。
しかし、企業に所属しているFPの場合、その企業の利益になるようなアドバイスをする傾向があります。相談者がお金を払う必要がない分、企業がFPに報酬を払っているためです。
一方、独立系FPへの相談は相談料が発生します。しかし、ニュートラルな立場から、相談者のためにアドバイスをしてくれます。
住宅の購入や住宅ローンの借入は、人生の中でも大きな出費です。
大きな金額が動く場面なので、相談料を支払ってでも、フラットな意見をくれるプロに相談するのがベストです。
住宅保証機構株式会社が提供している住宅ローンシミュレーションでシミュレーションができます。
もちろんFPに相談しても、シミュレーションは可能です。ざっくりとしたシミュレーションは上記のサイトで、より細かくシミュレーションしたい場合は、FPに相談してみましょう。
まとめ
今回は、住宅ローンについて解説しました。
住宅ローンは、一番身近な借金とも言えます。「借金」と言うと違和感を覚えるかもしれません。しかし、金融機関からお金を「借り」、何年にもわたって「返済」する以上、借金と言えます。
住宅ローンは長期間で返すイメージが定着しており、借りすぎてしまう傾向があるので要注意です。
- 借入金が分不相応ではないか
- 返済計画は想定外のことも加味しているのか
以上のことを冷静に判断したうえで、融資を受けるようにしましょう。
住宅ローンを借りる場合、しっかり考えて融資を受けましょう!