体が元気な20代や30代は医療保険なんてまだ早い!と思っている人はいませんか?
確かに病気で入院するイメージは、若いうちはつかみにくいかもしれませんね。
しかし、自分の身に想定外のことが起こって入院や手術が必要となったときは、多額の費用がかかります。
そこで医療保険のことを考えるわけですが、具体的な内容はどのようなものでしょうか。
学生までは親が保険を考えてくれていましたが、社会人になると自分で保険の加入を考える必要が出てきます。
そのために必要な医療保険とはどのような内容なのか、自分が必要な補償とは何なのかを把握したいですよね。
ここでは医療保険の内容や選び方のポイントを解説します。
経済的に自立したら、自分の身に起こる想定外のことに対して自分で備えを準備する必要があります。
医療保険は想定外の出来事に必要な費用の手助けとなる、安心を補ってくれますよ。
医療保険とは
病気や入院にかかる費用を補償してくれる保険です。
公的医療保険からでも補助を受けられますが、公的医療保険ではフォローできない部分を一般の保険会社の医療保険が補償してくれます。
医療保険の保険期間別の種類
医療保険には大きく分けて2つのタイプがあります。
それぞれ保険の期間と特徴が異なりますので、具体的にどのような点が異なるのかを解説します。
定期医療保険
定期医療保険とは、保険期間が一定の期間に決められていて期間が終わると保険が満了するタイプの保険です。
保険が満了したあとは、更新も可能です。
定期医療保険の主な特徴は、以下の3つです。
- 補償は10年間など一定期間
- 保険期間が満了して更新すると年齢に応じて保険料が上がる
- 加入してから一定期間は終身医療保険より保険料が安い
終身医療保険よりも月々の保険料は安いですが、10年などの一定期間の保険期間が終了して保険を更新するときは、年齢が上がるため保険料がその都度高くなります。
しかし裏を返せば更新のたびに、自分のスタイルに合っているのかを確認し保険を更新できるといったメリットもあります。
一定期間で保険料がある程度上がるのは仕方がないと思っている人、更新のたびに補償の見直しをおこないたい人、80歳以上は公的保険だけでまかなうといった人には定期医療保険がおすすめです。
終身医療保険
終身医療保険は生きている間、一生涯続く保険です。
終身医療保険の主な特徴は以下の3つです。
- 補償が一生涯続く
- 保険料が変わらない
- 保険料を一定期間で払い終えて、そのあとの保険料の支払いをなくす「短期払い」というものもある
保険料が上がらないのはメリットとも取れますが、保険に加入してからしばらくの間は定期医療保険より保険料を多く支払うケースがほとんどです。
また補償内容が変更できない場合もあるため、最新医療の補償を受けられないケースもあります。
しかし、特約といわれるオプションの追加や、内容の見直しは可能です。
今の保険内容が自分の年齢やライフスタイルにあったものなのかは、その都度確認する必要があります。
終身医療保険は契約時の保険料がそのままで上がらないでほしい、一生涯補償を受けたい、という人にはおすすめの保険です。
主契約の種類
医療保険は基本となる主契約と特約の組み合わせることによって、自分に最適な保険を選ぶことができます。
加入する保険会社が変わっても、入院や手術の際に受け取れる保険金は加入内容の選択によって同等プランに設定することが可能ですが、入院の日数や1回の支払限度日数、通算の支払い限度日数は保険会社によって大きく異なります。
ここでは医療保険の要となる、主契約の保険金の給付について解説します。
入院給付型
入院給付型は入院した時に一定の条件を満たせば、保険からの補償を受けられるものです。
1日当たり5,000円や1万円といった保険金の受取金額を契約時に選択することができ、日数に応じて保険金を受け取ることができます。
入院日数の上限は60日としている保険会社が多いですが、なかには30日や120日、もしくはそれ以上の日数の設定をできる保険会社もあります。
入院費用の平均金額は1日あたり2,562円(4人部屋)ですが、個室入院の平均金額は1日あたり8,018円の入院費がかかります。(平成元年7月1日現在)
また、実際に入院する際は部屋代のほかに、寝巻や備品などの費用がかかる場合があります。
どうしても入院は個室ではないと無理、といった場合は1日5,000円の給付では間に合わないことを覚えておいた方がいいですね。
手術給付型
手術給付型は、手術を受けた際に受けられる補償です。
給付の対象となる手術は、保険会社で指定された88種類と公的保険に準じた1,000種類に対応している場合があります。
保険の対象となる手術の種類が大きく異なるため、自分が契約している保険はどちらのタイプなのか確認が必要ですね。
手術給付金は手術の内容に応じて、入院給付金に10倍や20倍といった倍率をかけた金額を給付するものと、一律10万円などの一定金額を受け取れるタイプがあります。
手術給付金は、契約期間内であれば手術を受けたときには何度でも受け取れることが基本です。
しかし保険によっては手術と手術の間を60日以上開けないと保険金が受け取れない、としているものもあります。
また、日帰り手術が対象になっているかどうかも保険会社によって変わりますので、契約内容を確認しておきましょう。
特約
医療保険の特約は、主契約を手厚い補償にするためのオプション契約です。
費用がかかりそうなものや、自分の疾患に不安があるものを手厚くしておくことで安心できますよ。
特約は単体で加入することはできず、主契約に追加でつける保険です。
特約は保険会社によってさまざまなものがありますが、ここでは代表的なものを3つ紹介します。
先進医療に関する特約
先進医療とは厚生労働大臣が認めた高度な治療のうち、公的医療保険の対象になっていないものをいいます。
具体的なものの一例は、子宮腺筋症における「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」やがん治療の「陽子線治療」などですね。
先進医療は患者本人が治療を希望して、医師が治療の必要があると診断した際におこなわれるもので、保険金は治療の上限を定めた金額内での実費での受け取りとなります。
がんや特定疾病に関する特約
医療保険は主契約に、がんや特定疾病(しっぺい)にかかったときに、手厚い補償を受けられる特約がつけられます。
主契約だけでもがんなどの治療にかかる費用の補償を受けられますが、特約をつけておくとさらに手厚い補償が受けられるというものです。
がんの特約以外にもがん保険というものもありますが、がん保険はさらにがんに特化した手厚い補償が特徴です。
医療保険につけるがん特約は、がん保険単独で加入するよりもがん補償の上限が決められてしまうといった面がありますが、保険料を抑えつつがんの補償をつけたい人におすすめの特約です。
通院に関する特約
通院に関する特約というものもありますが、これは通院だけで補償されるものではありません。
入院が必要な治療に対して、退院後の通院などに補償される特約のことです。
退院後120日以内、または180日以内の通院に対して通院給付金というものが給付されます。
退院後の通院の平均日数は、29.3日と報告されています。
連続でないことを考えても、数カ月間は通院の必要があることもこの数字からうかがえますよね。
入院時の補償だけではなく退院後の通院補償を受けたいという人は、つけておいた方がいい特約です。
保険期間と保険料の払込期間
医療保険の保険期間と保険料の払込期間には、違いがあります。
保険料の払込期間を知ると、自分に合った保険料を選ぶ目安にもなりますよ。
ここでは医療保険の保険期間と、保険料の払込期間について解説します。
保険期間
保険期間とは、医療保険の契約の加入期間のことを指します。
契約によって年数は変わりますが、10年や20年の契約が多数です。一部保険会社では、終身契約もあります。
この契約期間の間に入院や手術といったことが起こった際に、保険料を受け取れるというわけですね。
保険料の払込期間
保険料の払込期間とは、保険の契約者が保険料を払い込む期間のことをいいます。
保険料の払込期間は必ずしも保険期間と同じというわけではなく、契約によって払い込みの期間年数が変わるというものです。
保険料の払込期間は、主に2種類あります。
保険料払込期間の種類 | 払込期間 | 特徴 |
短期払い | 10年や20年、または60歳といった年齢までの一定期間に払込が完了 | 毎月の保険料が高くなる |
終身払い | 契約者が亡くなるまで一生涯払い込みが必要 | 毎月の保険料が安くなる |
短期払いにすると毎月の保険料は高くなる傾向にありますが、定年前までに払込が可能です。
そのため収入が減ったときに保険料を支払わなくても補償が受けられる、といったメリットがあります。
反対に毎月の保険料をおさえたい場合は終身払いの方が安く済みますが、一定の年齢以上になると総額は高くなるといったデメリットも持ち合わせています。
将来の人生設計や、既往症などを踏まえてどちらにするかを判断しましょう。
掛け捨て型と積立型
医療保険の掛け捨て型と積立型の違いは、満期を迎えた保険の保険料が受け取れるか、受け取れないかが大きな違いです。
現在は保険料を安く済ませられることから、掛け捨て型の医療保険が主流です。
反対に積立型は掛け捨て型と比較し、保険料が高く満期になっても保険金が全額戻るわけではないということが多いことから、あまり人気がありません。
積立型は、満期時に保険金の受け取りを希望する人で保険料の出費が気にならない人向けといえます。
積立型で保険料の払戻金額が増えることはありませんが、貯蓄だと考えることもできます。
普段から貯金が苦手な人は、積立型の方が合っているかも!
それ以外に終身型プランがある保険会社もあるよ。
代理店・通販の違い
代理店はさまざまな保険会社から、自分にあった保険会社を選んでベストなプランを探し出してくれます。
そのため自分で調べなくても、保険に詳しい代理店から案内してもらうことによって、保険の契約を進めることができますが、その分保険料はどうしても高くなる傾向があります。とはいえ代理店ならではのきめ細やかなサービスが特徴です。
ある程度の金額を支払ってでも、自分が満足できるサービスを受けられると割り切れれば全く問題はありません。
なお同一保険会社で同じプランの場合は、代理店でも通販でも同じ金額です。
通販型は自分で保険会社と医療保険のプランをピックアップして、自分でカスタマイズして契約する保険です。
自分で選ぶため、保険料や契約などの無駄はありません。
余計な勧誘などもないので、保険のわずらわしさがないのが特徴です。
通販型は代理店よりも保険料を安くあげられるのが最も大きいメリットですが、契約の更新や保険金の受取などの諸手続きは自分でおこなう必要があります。
通販型で加入する場合は、手続きは自分で保険会社と直接やりとりする必要があるよ。
いざというときの保険金受取時の対応も、前もって自分で確認しておこう!
医療保険のよくある質問
若い人でも医療保険は加入しておいた方が、いざというときに補償を受けることができます。
20代や30代でも病気や手術のリスクはある上、一度疾病にかかるとその後の加入が難しい医療保険もあります。自分に合った医療保険を考えましょう。
例えば明け方に救急で病院に入院して、容体が落ち着いたためにその日の夕方には退院できたケースなどを指します。
まとめ
医療保険について解説しました。
医療保険には、保険料の支払い方法などに違いがあるのがわかりましたね。
主契約につけられる特約は、この記事に載せたもの以外にも多岐にわたります。
自分で心配な症状などがある場合は、ピックアップして特約をつけるといったカスタマイズも必要ですね。
医療保険は病名や治療方法などが複雑なこともあります。
難しいなと思ったら代理店や保険のプロに相談するなどして、無駄のないように保険を組みましょう。