引越しといえば荷作りが一番はじめに思い浮かぶかと思いますが、ガスなどの光熱関連の手続きも忘れてはなりません。
しかもガスは連絡をするだけで引越しの手続きが完了できるわけではないため、余裕をもったスケジューリングがキーポイントです。
引越し手続きが遅れて入居の当日にガスが使えないと、お風呂に入ることもお湯を沸かしてお茶を飲むこともできません。
ではガスの引越し手続きは、どのように進めていけばよいのでしょうか。
ガスの閉栓と開栓に分けて、具体的な手続きの流れを解説します。
もし手続きを忘れてしまった場合はどうすればよいのかも説明しているので参考にしてください!
ガスの引越し手続きの流れ

引越しの日が決まったら現在の住まいのガスの閉栓手続きと、新居の開栓手続きをおこないます。
時系列で流れを見てみましょう。
- 新居のガスの種類がプロパンガスか都市ガスかを確認する(今までと異なる場合は、新たにガス機器をそろえる必要があります。)
- 現在住んでいる住居で契約しているガス会社に連絡して閉栓の手続きをする
- 新居で契約するガス会社を確認する
- 新居で契約するガス会社に連絡して開栓の手続きをする
- 開栓の手続きのときに立ち会いの時間を打ち合わせる
引越し日が決まったら、まずは新居のガスがプロパンガスか都市ガスか確認します。
ガスの閉栓と開栓の手続きは、電話かインターネットでおこなえます。
連絡をするときに用意しておくと便利なものは、ガスの使用量が載った「検針票」です。
検針票には「お客様番号」が載っていて、住所や使用機器の情報が一度にわかるようになっています。
引越しが決まったら、ガスの利用料金が載った検針票は取っておきましょう。
もし検針票を紛失してしまった場合、ガスメーターに「お客様番号」が記載されているシールが貼られているため、ガスメーターでも確認できます。
ガスメーターは賃貸であれば玄関近くのボックス、戸建てであれば屋外の壁に設置されていることが多いです。
ガスは住んでいる地域やガスの種類によってもガス会社が異なります。
そのため今まで契約していたガス会社と同じガス会社を、そのまま引き続き契約できるとは限りません。
新居のガス会社はあらかじめ決まっていることもあるので、管理人や不動産業者に確認をしておくと安心です。
立ち会いについて
ガスの開栓には、ガス会社の立ち会いが法律で定められています。
ガス機器は危険を伴う機器なので、設置者は使用者に説明の義務があります。
ガス機器の立ち会いが必要なのは、基本的に開栓のときだけです。
しかし屋内にガスメーターがあるなど、契約者がいないとガスメーターの作業や確認ができないような場合には、閉栓のときも立ち会いを要する場合があります。
立ち会いで確認することは、主に5つです。
- 使用機器がプロパンガス、もしくは都市ガスに合っているのかの確認
- 屋外のガスメーターの作業をして、屋内にガスを開通させる
- 屋外のガスメーター付近でガス漏れがないか、正常にガスが屋内に流れているかの確認
- ガス給湯器やガスコンロなどを実際に点火して、不完全燃焼が起きていないか機器で測定する作業
- ガス機器の使い方など、ガス会社からの説明
ここまでの一連の作業で約20分かかります。
ガスコンロやガスファンヒーターは開栓立ち会いまでに、できれば取り付けておきたいです。
ガス機器を取り付けておけば機器の製造年から劣化の度合いも確認してもらえますし、点火したあとの一酸化炭素濃度も測定してくれます。
新居で安心してガス機器を使えるようにするためにも、立ち会いに間に合うように設置するのがベストです。
ガスの閉栓手続き
ガスの閉栓手続きは今まで契約していたガス会社に電話、もしくはインターネットで閉栓の旨を連絡します。
閉栓に関しては立ち会いは基本的に不要ですが、屋内にガスメーターがあるような場合は立ち会いが必要です。
また閉栓手続きを忘れてしまうと、新居のガス代と今までの住居のガス代の両方を支払うリスクが出てきます。
ではいつまでに連絡をするべきなのか、閉栓の当日にやることはどういったことなのかを説明します。
いつまでに連絡すればいいの?
引越し当日の1か月〜1週間前には閉栓の連絡を入れましょう。
ガスの閉栓手続きは基本的に立ち会いが必要ありませんが、住居によっては閉栓でもガス会社が立ち合う場合があります。
そのため引越し日が決まったら、早めに連絡をしておくことが大切です。
閉栓当日に行うこと
閉栓のときの、ガス会社の立ち会いは基本的に不要です。
全てのガス機器を外して、ガスの元栓を閉めれば閉栓は完了です。
ガス会社の作業員は、閉栓当日に入居者が不在の状態でもガスメーターの元栓を閉める作業をおこないます。
作業にかかる時間は約20分ほどです。
しかしオートロックなどでガスメーターまで作業員が入れないような場合は、閉栓時に入居者とガス会社が立ち合いの上、閉栓を完了させます。
また、何らかの事情でクレジットカードでの決済や銀行引き落としなどができない、といった現金で精算する場合も立ち会いが必要なので、前もって確認しておくことが望ましいです。
ガスの開栓手続き

ガスの開栓手続きは閉栓手続きと平行しておこなうと、忘れずにおこなえます。
ガスの開栓手続きは閉栓手続きと同様に、ガス会社に電話かインターネットで連絡します。
閉栓手続きと違う点は、ガス会社が変わる可能性があるため新居で契約できるガス会社を確認する必要があるということ。
そのため引越しの前までに賃貸住宅であれば管理人や大家さん、戸建て住宅であれば不動産会社にガス会社を選ぶ相談をしておくと安心です。
ガス会社を決めた後の流れを、開栓当日の作業と合わせて説明します!
いつまでに連絡すればいいの?
閉栓手続きと同様に、1か月〜1週間前までには手続きを済ませるようにすることが望ましいです。
開栓はガス会社との立ち合いが必須であるため、スケジュールを合わせる必要があります。
引越しシーズンなどは立ち会いの予約が早く埋まってしまうので、ガスの開栓手続きと引越し日がずれてしまうことも考えられます。
引越しの日にガスが開栓されていないと、お風呂に入れない、お湯を沸かすこともできないといったことが起こってしまいます。
そのようなことを避けるためにも、引越し日が決まったら速やかに手続きを開始することがベストです。
開栓当日に行うこと
開栓はガス会社の作業員が立ち会いのうえおこないます。
ガス機器の点火がうまくいっているか、一酸化炭素の濃度は適切か、などのガス機器の点検も一緒におこないます。
そのためガス会社の立ち会いまでには、ガス機器をすべて接続した状態にしておくことが理想です。
ガスファンヒーターも同様に確認するので、夏場であっても一度接続して作業員が確認できるようにします。
今は使わないものであっても事前に確認しておけば、使うシーズンになったときに安心して使うことができます。
ガスの手続きを忘れていた場合

転勤などで引越しが急に決まった、荷作りに気を取られていてガスの手続きを忘れてしまった、という場合もあるかもしれません。
しかし「なるべく早めに使えるようにしたい」もしくは「早く前の住居のガスを止めてもらいたい」という場合には、どうしたらよいでしょうか。
基本は通常の閉栓と開栓の手続きと同じですが、早めに対処してもらうためのコツを紹介します。
閉栓手続きを忘れていた場合
閉栓手続きを忘れていた場合は、速やかにガス会社に電話します。
閉栓手続きはインターネットでもできますが、すぐに対応してもらうためにも電話が確実といえるでしょう。
引越しの当日に対応できれば、料金の二重払いなどの心配はありません。
しかし引越し日を過ぎてから手続きに気が付いた、といった場合には前の住居でガスを使っていなくても手続きが完了するまでの料金の支払い義務が生じます。
トラブルを引き起こさないためにも、手続きは忘れずに余裕をもっておこなえるといいですね。
開栓手続きを忘れていた場合
開栓手続きを忘れていた場合も閉栓手続きを忘れていた時と同様に、ガス会社へ電話します。
開栓手続きを忘れていた場合は、残念ながら手続きが完了するまではガスが使えません。
手続きがスムーズに進んでその日のうちに立ち会いができるようであれば、忘れていても引越しの当日からガスが使えます。
しかし開栓手続きが混みあっている状況だと、当日や翌日の対応が難しいこともあります。
そのときはガス機器は手続きが終わるまでは使用できないので、お風呂は銭湯へ、お湯はカセットコンロで沸かす、といった方法を取るしかありません。
忘れていたときにはなるべく早めに対処してもらいたいのでガス会社への連絡は電話がおすすめです!
立ち会いできない場合
もし契約者本人が立ち会えない場合は、代理人による立ち会いが可能です。
閉栓は立ち会いの必要はありませんが、開栓に関しては必ず誰かしらの立ち会いが必要です。代理人が立ち会う際は、ガス会社に代理人による立ち会いで開栓する旨を伝えておくと安心です。
ガスの手続きに関わるよくある質問
春先などの引越しシーズンと重なると、土日の手続きがとても混みあいます。
混みあう時期は日にちに余裕をもって手続きおこなうことがベストです。
プロパンガスは賃貸住宅の管理会社や、戸建てでも不動産会社と利用の契約を結んでいて、ガスメーターなどの機器も異なります。
そのためプロパンガスを使う住居の場合は、ガス会社を変更することは基本的にできないと思った方がよいです。
また、都市ガスであっても契約上ガス会社の変更が認められないケースもあります。契約を破ってしまうと、多額の違約金が発生することもあります。
「重要事項説明書」といった説明書や契約書をよく確認することが大切です。
賃貸住宅の場合、退去の際は原状回復義務というものが生じるため、自分が入居したときの状態にする必要があります。
自分が入居したときに、ガスコンロが備え付けてあった場合はそのままでも大丈夫ですが、自分で買って備え付けた場合は自分で処分する必要があります。
ガスコンロは処分方法が自治体によって異なるため、自治体のごみ処理の情報を確認してから処分します。
ゴミとして処分する以外にも、リサイクルショップへ持ち込む、引越し業者に有料で引き取ってもらう、といったことも可能です。
まとめ
ガスの引越し手続きについて解説しました。
ガスの引越し手続きは、開栓に立ち会いが必要です。
そのため、スケジュールに余裕をもって手続きをおこなうことが大切です。
クラシチアフルではガスの手続きの他にもライフラインの開始手続きや電気の開始手続きについてもまとめています。是非参考にしてください!