引越し時のライフライン手続きは主に電気・ガス・水道があります。そのうちの水道はどのように手続きを進めればよいのでしょうか。
手続きが遅れてしまうと引越しの当日から水が使えない、といったトラブルにもつながります。
水道は引越し先によって手続きの方法が異なったり、退去と入居で手続きする場所が変わったりすることも。
水道の手続きをスムーズに進めるための手順や方法を、水道の使用中止と使用開始に分けて解説します。
水道の引越し手続きの流れ

水道は自治体ごとに管理されているため、自治体をまたいで引越す場合は使用中止と使用開始で手続きする水道局が変わります。
時系列で水道の引越し手続きの流れを見てみましょう。
- 利用停止手続き・利用量が明記されている検針票を用意して今住んでいる自治体の水道局へ退去日を連絡する
- 利用開始手続き・新居のある自治体の水道局へ入居日を連絡する
- 引越しの日に水道の元栓を閉めて退去する
- 新居の水道の元栓を開けて使用を開始する
同じ水道局の管轄内で引越しする場合、使用中止と使用開始の手続きを同時に済ますことが可能です。
利用料金は日割り計算されますので、退去時の連絡の際に精算方法を水道局と相談する必要があります。
精算の方法は主に4つ。
- 退去時に係員が直接現金で精算
- 新居へ口座振替用紙などを送付してもらう
- クレジットカード
- 今まで引き落としていた口座で精算
自治体によってはクレジットカードなどの対応ができないこともあるので、使用中止の手続きの際に確認しておくのがベストです。
またガスと違い、退去時や入居時の立ち会いは基本的には必要ありません。
立ち会いが必要なケースは料金の精算などが必要な場合のみです。
スマートメーターってなに?
スマートメーターとは、通信や制御などの機能がついたデジタル化したメーターのことです。
現在は人がメーターを目視して検針するのが主流ですが、スマートメーターの検針は全て通信でおこなわれます。
30分に1度計測されるため、細かい使用時間のデータを取ることや、漏水などのトラブルへのすばやい対応が可能です。
令和3年現在、水道のスマートメーターの普及は進んでいませんが、今後は各自治体でスマートメーターの設置が広がる見込みです。
水道の使用中止手続き
使用中止の手続きは、住んでいる自治体の水道局へ電話かインターネットで手続きをおこないます。インターネットで手続きをする場合は検針票に記載されている「お客さま番号」が必要です。
検針票が手元になく、お客さま番号が分からない場合は電話で連絡しましょう。
いつまでに連絡すればいいの?
引越し当日の1〜2週間前までには、手続きを済ませましょう。
立ち会い不要のため手続きが後回しになりやすいのですが、使用中止の手続きを忘れてしまうと、新居と旧居の水道料金を支払うことになります。
水道代は水を使っていなくても基本料金が発生するので、無駄な出費を抑えるためにも余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
使用中止当日におこなうこと
水道の使用中止当日は、元栓を閉めるだけで退去できます。
水道の元栓の場所は、住居によって異なります。
主に以下の場所に設置されているので、確認してみてください。
住居の種類 | 水道の元栓の設置場所 |
---|---|
アパート | 屋外の共有スペースに、部屋ごとのメーターがまとめて設置されていることが多い |
マンション | 玄関の脇にあるボックスの中 |
戸建て | 敷地内の地面に埋まっている |
古い集合住宅だと、手で元栓を閉められない形状のものもあります。
手で元栓を開け閉めできない形状の場合は特殊な道具が必要なので、水道局に連絡しましょう。
料金の精算を直接おこなう場合は水道局の係員による立ち会いが必要になります
水道の使用開始手続き
使用開始の手続きは、住んでいる自治体の水道局へ電話かインターネットで手続きをおこないます。
また、新居の水道付近に「水道使用開始の手続き」といった、入居者の水道利用の手引きが置いてあることがあります。
引越し当日までは何もしなくていいので、引越しが終わって入居したときに手引書に入っている申込書を郵送すればよい、という自治体もあるので、入居前に確認できると安心です。
いつまでに連絡すればいいの?
使用中止と同じように、入居日の1~2週間前までには連絡を済ませましょう。
自治体によっては新居の「お客さま番号」が必要になるため、事前に番号の確認をしなければならないことも。
お客様番号がわからない場合は事前に手続きができないので、入居してから電話やインターネット、申込書の郵送で手続きをおこないます。
水道は使用開始時に立ち会いが不要で、自分で元栓を開ければ使えるようになるため、入居してからの手続きでも問題ないケースも多いです。
しかし、スマートメーターが設置されているような場合、事前の手続きが必須といえます。どのような手続き方法をとればよいのかは、入居前に管理人や大家さん、不動産会社に確認を取る必要があります。
使用開始当日におこなうこと
使用開始当日は、水道の元栓を開ければ使えるようになります。
アパートやマンション、一戸建てでは水道の元栓の設置場所が異なります。
住居の種類 | 水道の元栓の設置場所 |
---|---|
アパート | 屋外の共有スペースに、部屋ごとのメーターがまとめて設置されていることが多い |
マンション | 玄関の脇にあるボックスの中 |
戸建て | 敷地内の地面に埋まっている |
元栓を開けたのに水が出ない場合、ひねった蛇口の「止水栓」が閉まっていることが考えられます。
蛇口によって止水栓の場所は異なりますが、基本的に蛇口を通る配管に止水栓がついています。手で回せるハンドルタイプとマイナスドライバーで回すタイプの止水栓があり、止水栓が閉められていると、元栓を開けても水が出ません。
止水栓を開けても水が出ない場合は管理人さんや不動産業者、もしくは水道局に確認が必要です。
止水栓は蛇口ごとの元栓と考えればわかりやすいです
水道の手続きを忘れていた場合

引越しの当日を過ぎても水道の引っ越し手続きを忘れていたら、どうなってしまうのでしょうか。
水道の利用開始や停止の手続きを早めに完了できる方法はどれなのか、手続きを忘れたままにするとどうなってしまうのかなどを解説します。
使用中止の手続きを忘れていた場合
手続きを忘れていた、と気づいた時点で前の住居で契約していた水道局へ電話しましょう。
水道局によってはインターネットで停止手続きができますが、インターネットの場合は確認できているかどうかの判断がつきにくいため、電話での連絡が確実です。
水道局は土曜日の対応はできても日曜日や休日、春先などの引っ越しシーズンは電話がつながりにくいといったこともあります。
水道局が休みや電話が混みあってつながらないと、手続きができない期間が延びてしまいます。
引越しが終わっても手続きを済ませていない場合、旧居と新居の2か所分の水道代を支払う必要があります。
水道料金は使った水道料に応じて料金が加算されますが、基本料金というものがあります。
基本料金は水道を使っていなくても発生するため、引っ越し前に契約していた水道局へ速やかに連絡しましょう。
連絡する際は旧居の検針票があると、スムーズに手続きが進みます。
使用開始の手続きを忘れていた場合
使用開始の手続きは忘れていても、水道の元栓を開ければ水が出てくるため、入居後の手続きでも大きなトラブルになることはほとんどありません。
しかし、手続きを忘れたまま水道を使用し続けていた場合、手続きをせずに使用していた期間分さかのぼって請求されます。
手続きを忘れていたことに気づいたら、連絡して速やかに手続きを完了しましょう。
もし水道の元栓を開けても水が出ない、水道の元栓がどれかわからない、という場合には新居を管轄する地域の水道局へ電話で連絡します。
元栓がわからない、開けられない、といった事情で水が出ない場合は残念ながら水道局の係員の対応ができるまでは水を出すことができません。
スマートメーターの場合
使用中止や使用開始の手続きを忘れていた場合、管轄の水道局へ速やかに電話します。
スマートメーターは、遠隔操作によって検針や動作の制御ができるメーターです。
使用中止の手続きを忘れていても、引越し当日に連絡し、すぐに手続きが終われば特に問題はありません。
しかし水道局は日曜日や祝日が休日というところが多く、引越し日と重なってしまった場合は手続きができません。
その場合は、スマートメーターが動かせないため、手続きが遅れた日の基本料を支払う必要が出てきてしまう可能性もあります。
使用開始の手続きを忘れていた場合、こちらも使用中止と同じように当日に手続きが終わればすぐに使えるようになります。
しかし手続きができないと水は使えません。
スマートメーターは水道局の制御で使用開始や中止を管理されているため、手続きを忘れた場合は手続きが終わるまで待つしかありません。
手続きを終えるまで水が使えないので忘れずにおこないましょう!
水道の手続きに関わるよくある質問
上下水道とは手続きの書式が異なるので、管轄の水道局や自治体のホームページを確認します。
使用した水道料と基本料を日割りで計算して、口座振り替えやクレジットカードで精算することが多いです。
水道局によって現金で精算ということもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
今回は水道の引越し手続きについて解説しました。
水道は水道局の立ち会いが不要で使用中止と使用開始の手続きができます。
しかし解約の手続きを忘れてしまうと、使っていない住居の水道代を支払うことにもなりかねません。
しっかりスケジュールを組んで、余裕をもった手続きを行いましょう。
クラシチアフルではガスの手続きの他にもライフラインの開始手続きや電気の開始手続き、ガスの開栓手続きについてもまとめています。是非参考にしてください!